(56歳女性)

初診時の模型  
   

1.患者さん:41歳 女性
2.初診日:2001年9月5日
3.主 訴:左右顎関節に開閉口時クリック,疼痛,開口障害
4.現病歴:15年程前より関節の雑音がしていたが,症状が悪化してきたため受診
5.現 症:
(1)全身所見
右側の肩こり,頭痛,眼下の痙攣が時々ある
(2)局所所見
顔貌所見
頭部は右側へ傾斜し,眼裂高は左右非対称,顔幅は右側肥大.
②顎口腔所見
アングルⅡ級2類症例で,上顎歯列弓は方形で中,側切歯は舌側傾斜し犬歯は唇側転位. 下顎歯列弓は鞍状型歯列弓で前歯群に叢生,左右第2小臼歯は舌側転位している. 垂直被蓋は過大であり下顎切歯は高位でスピーの彎曲度はかなり強い
最大開口度は3横指であるが開口障害有り,開閉口時にクリックを伴い,経路は波動様であった

治療経過:御覧下さい

スタビリゼーションタイプのスプリントを装着し筋の異常緊張の是正と咀嚼筋群の安静を得る.少し緊張が取れたところで、顎位の矯正を行うため下顎を前方誘導するための斜面板付きのスプリントを装着。下顎を前方へ誘導し過蓋咬合の改善を行う
 
スプリント装着時のパノラマX線写真。左右上顎智歯と,右側下顎埋伏智歯が確認される。顎関節X写真では、咬頭嵌合位で両側共に関節頭の位置が後上方にあるスプリント装着時には、前下方へ移動

 

初診より3ヶ月スプリント除去後の口腔内
この顎位でクリックも少なくなり時々出ていた運動制限もなくなった。この位置に普通に顎位を位置する事ができるようになった。

上顎スプリント除去後下顎に咬合面シェルセット

下顎に咬合面形態を与えた咀嚼可能なスプリントを誘導された顎位で装着した。この、チューニングタイプスプリントにより、5ヶ月ほど経過を観察し、症状が殆どなくなってきたので矯正治療に移行する。

矯正治療開始 チューニングタイプスプリント装着より5ヶ月
矯正開始より7ヶ月 下顎スプリントの左右6,7番を切断除去し挺出させる
10ヶ月 スプリントを除去し下顎に矯正装置装着

 

矯正治療開始より39ヶ月  
  歯列が整い頭痛、肩こり等の不定愁訴がなくなった.
     
術前   術後